2×4のマトリックスでSDを整理できるか?
私は大学で学部等に所属する教員ではありません。
「教育学部」にいるのとか、「経営学」で非営利組織について、教えているの?
と言われますが、いつもうまく説明できないことが多いです。
業界内だと「高等教育センターの教員です」
というと非常にすっきりとわかって頂けます。
このような現状から、大学が十分に社会に開かれていないと
いわれてしまうのかもしれません。(もちろん私の説明不足もあります。。)
所属する大学では、大学として全国に展開するSDプログラムの
運営と開発を担っています。
SDとは、平成29年度から義務化されたものです。文科省の定義を引用します。
「大学は,当該大学の教育研究活動等の適切かつ効果的な運営を図るため,
その職員に必要な知識及び技能を習得させ,並びにその能力及び資質を
向上させるための研修(第25条の3に規定するものを除く。)の機会を
設けることその他必要な取組を行うものとすること。(第42条の3関係)」
大学設置基準等の一部を改正する省令の公布について(通知):文部科学省
主語が「大学が」とあるので、経営学の知見からまとめると、
「人事権」による研修ということになるものと考えられます。
(ただ、留意事項で「あそび」を設けているので、後にのべる
キャリア権による研修・SDも対象になるものと解釈できるように
考えられます。)
石山(2013)を参照に、組織として、所属する構成員に研修を施すものが
「人事権による研修」とすると、個人の幸福追求権の一つとして自己選択的に
研修を受けることを「キャリア権による研修」と整理できます。
その他にも「キャリア権」については読みやすいネット情報もありました。
大学のSDが義務化される直前では、大学関係者がSNSなどで、
「企業がすでにやっている当たり前の研修をなぜに義務化するんだ」
などの意見もありました。
至極もっともなのですが、なぜ大学では義務化しないといけないのか?もしくは、
なぜ省令に当たり前のことを記載するのか?政策の意図や流れなどを紐解くと
面白いのかもしれません。(こちらは政策過程研究になるでしょうか・・)
タイトルに記載しましたが、2つのSDの施し手(人事権とキャリア権)と
どのような機会としてSDを受けるのかを4つ検討し、以下の表にまとめました。
「越境学習」については、私も十分に理解できていないので、
また学習したことを反映して、まとめられればと思います。
リカレント教育、OJT、Off-JTも知っているようで十分に定義説明できないもの
なので、こちらも今後の課題です。
こちらに関するところで、「大学職員の定義は?」とか「事務とはなにか?」とか、
「公立学校事務職と大学職員の違いは何か?」とか「大学職員は学生の教育の一部を
担っているのか?」とか「学校法人採用で、大学の部署に配属されていた人が、付属
中高に異動になったら、何職員になるのか?」などの、ややこしい論点があるので、
これかもいずれ考察として整理できればと思います。
それにしても、この分野とても難しい・・・
【参考文献】
石山恒貴(2013)「組織内専門人材 (ナレッジ・ブローカー) のキャリアと学習 : 組織を越境する新しい人材像」、日本生産性本部生産性労働情報センター